酒田五法

ここでは、酒田五法やそれを生み出した本間宗久についてご紹介します。

酒田五法とは

酒田五法とは、江戸時代、米の先物相場で名をはせた、日本最強最古の相場師 本間宗久が書き残した相場の極意を後の人々が発展させて作られたものと言われています。
日本が生んだチャート分析の古典 酒田五法

酒田五法は、日本で生まれたチャート分析の古典ともいうべき、テクニカル分析です。相場の行末を予測する基本技術として、ぜひ覚えて投資に役立てましょう。

投資対象を探すための分析とは?

投資の対象となる銘柄や為替の通貨ペアを探し出す方法は、大きく分けて2つあります。ひとつはファンダメンタル分析。投資する対象の政治状況、財務状況など本質的な価値を見出して、今後の価格を予想を行うというものです。もうひとつがテクニカル分析。これは株価の過去の統計から判断して未来の価格を予測するというものです。実際の投資を行う際には、ファンダメンタル、テクニカルに相場状況を合わせて分析、判断しながら行うことが定石となります。「テクニカル分析は、特に売買のタイミングを見つけたり、現在のトレンドを把握するためによく使われていますそのテクニカル分析のなかで、もっとも一般的な指標がチャートです。現在では、株式、為替、先物など、ほとんどの投資において、チャートは基本の指標として、必ず目にしたことがあると思います。「チャートは基本構成としてのローソク足の出来高の移動平均線の3つから成り立っています。

日本生まれのテクニカル分析 酒田五法

「酒田五法」という名前を聞いたことがありますか?この酒田五法は、江戸時代、米の先物相場で名をはせた本間宗久の相場観を元に、後世の人がローソク足のテクニカル分析として作り上げたものだといわれています。これはローソク足の組み合わせから今後の価格を予測する分析方法で、チャート分析のなかでももっともわかりやすいもののひとつです。また、江戸時代に生まれた分析が、現代まで忘れられることなく伝わってきたことからも、酒田五法の分析が優れていることがおわかりになると思います。本書では以下、酒田五法について詳しく紹介していきます。

日本最強最古の相場師本間宗久

酒田五法の生みの親、本間宗久は、江戸時代、米相場で天才的な勝率を誇った人物です。酒田五法が作られた背景を探りましょう。

江戸時代の日本は世界的な経済先進国

「江戸時代の日本では、世界に先駆けて米の先物相場が出来上がっていました。先物相場は、商品の価格を安定させたり、商品の需給量の調整を行うために開かれる相場。今でいう商品先物市場がそれにあたります。そしてこの米相場では、ローソク足が発明され、チャート分析法も編み出されていたといいます。当時の日本は、経済的には世界の最先端を走っていたといえるでしょう。その先物相場で百戦連勝、相場の神様といわれ、現代にも通じるチャート攻略法である「酒田五法」を作り出したのが本間宗久なのです。

米相場で百戦連勝巨万の富を築いた宗久

本間宗久は、江戸時代の1724年、出羽国庄内(現在の山形県酒田市)に生まれました。生家は酒田で商売を始め、そこで大きな財産を築いていました。宗久が初めて相場を張ったのは、本間家当主である兄の光寿から本間家の営業を託されていた時代。本間家があった酒田は米の一大生産地、宗久は当然のように米の売買と投機に手を出すようになります。そしてすぐにその才能を発揮し、わずかの間に数万金の利を得たと伝えられています。その後宗久は、京都と大阪の米会」所(米相場)を舞台に投資に挑みます。実家酒田の本間家からは、米の作柄情報が刻々と入ることに加え、宗久自身も天才的な相場感覚を持ち合わせていました。記録に裏付けられた作柄の豊凶予測を使い、大胆不敵な相場を張ることで、宗久は連勝記録を打ち立てて巨万の富を築き、「出羽の天狗」と讃えられます。「さらに宗久は、最大の市場となる江戸へと乗り込みます。そしてここでもスケールの大きな売買を展開、空前の巨利を得たといいます。「かくて、天才の名声と巨万の富を得た宗久は、その後、江戸根岸に豪邸を構えて悠々自適の生活を送ります。後に幕府の財政指南役として相談にもあずかったとも言われています。最晩年には仏門に入り、享和三年(1803)、七十八歳でその生涯を終えました。

宗久が後世に残した遺産 酒田五法

江戸時代に米相場で相場師として才能の花を咲かせた本間宗久。その本間宗久が、相場で実際に経験し、自分の血肉としてきた相場観を、みずから残した遺稿が「相場三昧伝」です。ここでは、彼が活躍した米相場に対する冷静な分析から、投資心理、人生訓などが書かれ、その内容は現代でも十分通用するものとして今にも伝えられています。この書などをもとにして、後世の人々が、宗久の相場観をケイ線法として次第に形にしていったものが、ここでご紹介する酒田五法です。本書では、ローソク足の読み方、酒田五法の基本となる「五法」、ローソク足の組み合わせから、今後を予測する酒田五法の代表的なパターンを紹介していきます。日本が生んだ最強最古の相場師、本間宗久による酒田五法が、いかに普遍的な分析であるかを感じていただければと思います。

本間宗久年表

1724年
出羽国庄内(現在の山形県酒田市)にて生まれる。当時日本一の大地主だった本間家の初代当主原光の五男。

1740年頃
酒田藩家老酒井家の付き人として初めて江戸を訪れる。

1745年
徳川家重が九代将軍となる。

1745年
兄である二代目当主の光寿から本間家の営業を託され、初めて米相場を張る。以後、買えば当たり、売れば当たりで数万金の利を得る。

1754年
兄・光寿永眠。光寿の長男の光丘が跡を継ぐ。光丘と計らって大量の庄内米を売り、その一方で京都と大坂の米合所(米の取引所)にて相場を張る。百戦連勝、常勝不敗の大記録を打ち立てるとともに、巨万の富を築く。人々に「出羽の天狗」と讃えられる。

1774年
江戸へ移住。相場で連勝を続け、莫大な財産を築く。以後悠々自適の生活に。晩年、相模守に任ぜられ、幕府の財政相談を受けるようになる。

1803年
永眠

 

酒田五法の読み方

実際の酒田五法を見ていきましょう。ローソク足は誰もが見たことのある、なじみの深いものです。そのローソク足の基本的な見方から、酒田五法のパターンを分かりやすく図表にして解説します。実際のチャートでもぜひ活用してください。

 

ローソク足の読み方

上昇暗示のローソク足

大陽線

実体は時価の1割程度の値上がり。買い意欲が強いことを示す。
かなり強い上昇暗示

 

陽の丸坊主

ひげのない大陽線。一直線に伸びており、翌日も上昇が期待できる。
非常に強い上昇暗示

 

陽の大引け坊主

一度下げたが、引けには大幅上昇。翌日も上昇が期待ができる。
かなり強い上昇暗示

 

下影陽線

下ヒゲが実体と上ヒゲと合わせたものより長い陽線。上昇期待。
強い上昇暗示

 

陽の寄付き坊主

寄付きから高値を形成したものの、少し下げて終値を迎える形。
やや強い上昇暗示

 

下影陰線

下ヒゲが実体と上ヒゲと合わせたものより長い陰線。安値からの反発期待。
やや上昇暗示

 

小陽線

実体は数パーセントの上昇。連続してさらに大陽線へつながる期待感あり。
上昇継続暗示

 

 

迷いのローソク足

陽の極線(星)

実体が短い。相場の転換点や逆に加速時に現れる。期待感のある気迷い。
やや強気の迷い

 

陰の極線(星)

実体が短い。相場の転換点や逆に加速時に現れる。失望感の中の気迷い。
やや弱気の迷い

 

足長クロス

上ヒゲ、下ヒゲが長い。相場の転換点や加速時に現れる。完全に迷い中。
完全迷い中

 

 

下降暗示のローソク足

大陰線

実体は時価の1割程度の値下がり。売り失望感が大きい線。
かなり強い下降暗示

 

陰の丸坊主

ひげのない大陰線。「直線に下げており、翌日も続落を暗示させる。
非常に強い下降暗示

 

陰の大引け坊主

一度上げたものの、引けには大幅下降。翌日も続落を暗示させる。
かなり強い下降暗示

 

上影陰線

上ヒゲが実体と下ヒゲと合わせたものより長い陰線。下落継続暗示。
「強い下降暗示

 

陰の寄付き坊主

寄付きから安値を形成したものの、少し上げて終値を迎える形。
やや強い下降暗示

 

上影陽線

上ヒゲが実体と下ヒゲと合わせたものより長い陽線。高値からの反落警戒。
やや下降暗示

 

小陰線

実体は数パーセントの下降。連続して大幅下落につながることも。警戒。
下降継続暗示

 

 

転換のローソク足

トンカチ

安値圏で現れると反発する可能性が高い。高値圏では反落することも。
強い転換暗示

 

トウバ

高値圏で現れると反落する可能性が高い。安値圏では反発することも。
強い転換暗示

 

トンボ

下ヒゲの長いクロス。迷いの中、安値では反発、高値では反落。
迷い中の転換暗示

 

酒田五法の基本 五法

酒田五法の極意は、ローソク足の長期的な形から相場を予測していくことです。
ここで紹介するのは、まさにその基本です。
このようなチャートは実際、頻繁に現れます。しっかりと基本を覚えておきましょう。

第一法 三山

3回天井が出来たら下落へと向かう暗示
高値圏で山が三つ。天井も3度までであとは下落に注意する。さらに出来高が減少している場合、下落する可能性は高くなる。

酒田五法

 

第二法 三川

3回底を打ったら、上昇の可能性大
安値圏で谷が三つ。3回底を打ったら上昇に期待する。最後の谷以降、出来高増加も伴うと上昇期待はさらに高まる。

酒田五法

 

第三法 三空

三空は、相場の方向転換に注意する
「三空踏み上げ、売りに向かえ」「三空き込み、買い向かえ」との格言もある。相場の転換点が近いと見て、注意が必要だ。

三空 叩き込み / 三空 踏み上げ

酒田五法

第四法 三兵

底値、天井の三兵は相場転換の可能性
底値圏での赤三兵(陽線3本)は上昇示。高値圏での三羽ガラス(陰線3本)は下降暗示。相場転換のサインと認識する。

赤三兵 / 三羽ガラス

酒田五法

第五法 三法

「売り、買い、休む」の三法を守るべし
酒田五法で「売り」「買い」と同じくらい重要なのが「休む」こと。流されるままに売買せず、相場を見極めよ、という戒め。

休むも相日

酒田五法

 

「相場の一休養を見極めるべし
双方とも三兵が現れているが、直前の大陽(陰)線に包まれている。相場の踊り場と見極め、様子見をするのが無難の形。

上げ三法 / 下げ三法

酒田五法

 

 

酒田五法 44パターン

底打ちでの買い時 13パターン

底値から転換での買いは、それまでの下降トレンドに逆行して買いを入れることになるので、勇気が必要となります。さらに見誤ると損失も大きくなります。酒田五法の教えが説くとおり、チャートだけでなく相場全体を冷静に眺めてから相場に挑んでください。

 

底打ちでの買い時1/酒田五法44パターン

連続下げ三手放れ三ツ星

下降相場の中、下放れて3本の短い陰線が連続し(三ツ星)、その後十字線が出現し、次に大陽線が出現したら大底をついて上昇となる可能性が高いと言えます。

酒田五法

1-Low-Buy-1

 

底打ちでの買い時2/酒田五法44パターン

放れ七手の変化底

窓を開けて下降し、安値圏でもみ合いの後、上放れた陽線が出現した状態です。直近の窓を埋めるまでは上昇する可能性が期待できます。

酒田五法

2-Low-Buy-2

 

底打ちでの買い時3/酒田五法44パターン

鍋底

相場が低迷したまま長期間もみ合いが続き、上放れた陽線が出現したら買いへの転換となる可能性が高いと言えます。底値でもみ合う期間は、1~3ヶ月くらい要するのが通常です。

酒田五法

3-Low-Buy-3

 

底打ちでの買い時4/酒田五法44パターン

放れ五手黒一本底

窓を開けて下降し、ジリ安となった後に5手目くらいに大陰線が出現すると、底を打った可能性が高いと言えます。さらに次の足も、前の足の終値よりも上で始まり、陽線引けとなれば上昇期待が高まります。

酒田五法

4-Low-Buy-4

 

底打ちでの買い時5/酒田五法44パターン

二本の差し込み線

陰線に続いて出現した陽線で、前の陰線より下値で寄り付き、前の足の始値を超えずに終わるものを差し込み線と言い、一つだけでは売りサインとなるものの、数本後に再び差し込み線が出現すると、買い圧力の方が強まっていると考えられ、底をついた可能性が高いと言えます。

酒田五法

5-Low-Buy-5

 

底打ちでの買い時6/酒田五法44パターン

三手大黒線

下降相場で、窓を開けずに3本の大陰線が並んだ状態を言います。次に陽線が出現したら、買いサインへの転換となった可能性が高まります。

酒田五法

6-Low-Buy-6

 

底打ちでの買い時7/酒田五法44パターン

たくり線

下降相場で安く寄り付き、長い下ヒゲとなった陰線です。実体は長い時も短い時もあります。1か月程度下降した後の出現は買い転換への期待が高まります。

酒田五法

7-Low-Buy-7

 

底打ちでの買い時8/酒田五法44パターン

捨て子線(下降相場)

捨て子線は、十字線が宙に浮いたような状態で、前後のローソク足と乖離しています。下降相場の途中で大陰線が出現し、次に窓を開けて十字線が出現し、その次に上放れた陽線が出現した場合、買い転換のサインとなる可能性が高くなります。

酒田五法

8-Low-Buy-8

 

底打ちでの買い時9/酒田五法44パターン

下位で陽線五本

下降相場の底値圏で、陽線が5本連続した場合です。買い圧力が徐々に強くなっていると言えます。陽線が3本で途切れると下降相場の調整である場合もあります。

酒田五法

9-Low-Buy-9

 

底打ちでの買い時10/酒田五法44パターン

最後の抱き線(下降相場)

最後のつつみ線とも言います。抱き線は、前日のローソク足を包み込むような形で、「つつみ線」とも言います。下降相場で陽線が出現して、次に陽線を包み込むように大陰線が出現し、その次に上寄りすれば買いへの転換となる可能性が高くなります。

酒田五法

10-Low-Buy-10

 

底打ちでの買い時11/酒田五法44パターン

下位の抱き線

下降相場で前日の陰線を包み込むように大陽線が出現した場合です。安値圏で出現した場合は、底確認のサインとなる可能性が高いと言えます。

酒田五法

11-Low-Buy-11

 

底打ちでの買い時12/酒田五法44パターン

下位で陰の陽はらみ

大陰線の次に出現した陽線が、前の大陰線の中に納まるような状態になる場合です。下降相場で陰の陽はらみが出現し、次に上寄りの陽線となれば、下降から上昇相場に転換する可能性が高くなります。

酒田五法

12-Low-Buy-12

 

底打ちでの買い時13/酒田五法44パターン

陰の陰はらみ

大陰線の次に出た陰線が、前の大陰線の中に納まるような状態になる場合です。陰の陰はらみが出現後、次の足が安値寄りでも前の陰線を包み込むような陽線だったり、上放れた陽線となった場合は、買い局面への転換点となる可能性が高いと言えます。

酒田五法

13-Low-Buy-13

 

上昇相場での買い時 9パターン

上昇相場での買い時を上手くつかむコツは、上昇トレンドの流れにすばやく乗ることです。すでに相場は上昇していますから、もたもたしていては間に合いません。ただし、思い描いた展開にならない場合は、乗ったときと同じように素早く退却することです。

 

上昇相場での買い時1/酒田五法44パターン

押さえ込み線

上昇相場の途中に上放れする陰線が出現し、そこから陰線が3本連続出現した後、その次の足の陽線が前の足の陰線を上抜く、または上放れた陽線が出現したら上昇期待となります。

酒田五法

14-Up-Buy-1

 

上昇相場での買い時2/酒田五法44パターン

二ツ星、三ツ星(上昇相場)

上昇の途中で急伸後、実体もヒゲも短いローソク足(極線とも呼びます。)が2つ3つ横に並んだ形です。この場合、次の足の動きにも期待が持て、買いのチャンスと言われています。この後、さらに上放れて陽線が現れるようなら更なる上昇となる可能性が高くなります。ちなみに、「星」とは大陽線または大陰線のあとに、放れて現れた極線のことです。

画像は、上昇相場の「三ツ星」です。

酒田五法

15-Up-Buy-2

 

上昇相場での買い時3/酒田五法44パターン

差し込み線(上昇相場)

「上げの差し込み線」と呼ぶこともあります。上昇相場で高寄りした陰線が出現し、次の足が安く寄り付くものの、反発して前の足の陰線の実線内に差し込んで陽線で引けるものです。この上昇相場での差し込み線は、上昇相場の継続を示唆しています。

酒田五法

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上昇相場での買い時4/酒田五法44パターン

かぶせ線の上抜き

上昇途中の大陽線の次に、高寄りしたものの反落して前の足に大きく食い込んだ大陰線がかぶせ線です。かぶせ線が出現して以降、少しもみ合った後に、このかぶせ線の高値を超えてくるような大陽線が出現したら買い時となります。

酒田五法

17-Up-Buy-4

 

上昇相場での買い時5/酒田五法44パターン

小幅上放れ黒線

小幅のもみ合いから窓を空けて陰線が出現した場合で、短期では上昇が期待できる場合があります。ただ、窓を空けて出現した陰線の上ヒゲが長い場合はあまり上昇が期待できないかもしれません。

酒田五法

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上昇相場での買い時6/酒田五法44パターン

上げ三法

上昇相場途中での大陽線に続き、その大陽線内で陰線が三本続いた後、次の足で高値寄り陽線が出現すれば、再び上昇の可能性が大きくなります。

酒田五法

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上昇相場での買い時7/酒田五法44パターン

上放れタスキ

上昇相場の中で、上放れた陽線が出現した後に陽線より安く寄り付いた陰線が出現した場合です。上放れた後、相場とは反対方向にタスキをかけるようにみえることから、このような名前がつけられています。この陰線は利食い売りの可能性が高く、一服したら再び上昇への加速が期待されます。

酒田五法

20-Up-Buy-7

 

上昇相場での買い時8/酒田五法44パターン

上放れの並び赤

上昇相場でジリ高から上放れて、同じくらいの長さの陽線が2本並んだ状態のことで、買いエネルギーが強いと予想されます。なお、2本並んだ陽線の次の足も上寄りすれば、更なる上昇が期待できます。

酒田五法

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上昇相場での買い時9/酒田五法44パターン

上値遊び

大陽線で相場が上昇後、小幅な値動きが続く。ここから上放れた陽線が出現したら大相場の予感。ただし、途中のもみ合いは7から11本とされる。

酒田五法

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天井での売り時 13パターン

上昇トレンドが続いていれば、心情としてはついつい買い増しをしたくなるもの。しかし、永遠に上がり続ける相場というものは存在しません。皆が熱狂しているときほど、冷静になって相場を判断するのが酒田五法です。上昇相場が長く続いたら売り転換のサインの出現に注視しましょう。

 

天井での売り時1/酒田五法44パターン

首吊り線

首吊り線とは、窓を開けて高く寄り付いた後に長い下ヒゲつき陽線が出現した状態です。長い下ヒゲつき陽線は、下ヒゲが実体の3倍以上あるものが首吊り線と言われています。買方のエネルギーが乏しくなっている可能性が高く、売りへの準備が必要です。

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天井での売り時2/酒田五法44パターン

三羽ガラス

三羽ガラスは、上昇相場が長く続いた後の売りサインです。前の引け値より下回った位置から陰線が3本続けて出現したら、上昇相場から下降相場に転換、又は天井と推測するローソク足の組合せです。

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天井での売り時3/酒田五法44パターン

ツタイの打ち返し

ツタイの打ち返しは、上昇相場の天井サインです。上昇相場の途中で前日の終値より安寄りする連続陰線をツタイ線と言います。(この陰線が3本続けば「三羽烏」)ツタイ線が出た後、大陽線が新高値をつけたら天井となるサインで、売り時を推測するローソク足の組合せになります。

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天井での売り時4/酒田五法44パターン

団子天井

団子天井は、上昇相場の天井サインです。高値圏もみ合い状態(短いローソク足が連続)で緩やかな半円を形成後、下放れした陰線が出現すると下降相場になるサインで、売り時を示唆するローソク足の組合せになります。

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天井での売り時5/酒田五法44パターン

三手放れ寄せ線(さんてばなれよせせん)

三手放れ寄せ線は、上昇相場の天井サインです。上昇相場で窓(上放れ)に続き3本の陽線の後、十字線(寄せ線、クロス)が出現すると下降相場になるサインで、売り時を示唆するローソク足の組合せになります。

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天井での売り時6/酒田五法44パターン

下げ足のカブセ」(さげあしのかぶせ)

下げ足のカブセは、上昇相場の天井サインです。高値圏で大陰線(抱き線)、はらみ線、カブセ線が出現すると下降相場になるサインで、売り時を示唆するローソク足の組合せになります。

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天井での売り時7/酒田五法44パターン

波高い線

高値圏で長い上ヒゲを伸ばしている十字線に近いローソク足が出現。その翌日はらみ線となった場合は、さらに翌日に注目し下放れたら下降トレンドに転換する可能性が高くなります。

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天井での売り時8/酒田五法44パターン

捨て子線(上昇相場)

高値圏で上に窓を空けて十字線が出現。その翌日は、下に窓を空けて陰線が出現した形です。売りの圧力が高まったと考えられ、下降トレンドに転換するサインと考えられます。

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天井での売り時9/酒田五法44パターン

上位で陰線五本

相場上昇後の天井付近において、5本連続の横ばい陰線が出現した形です。上昇エネルギーが弱まり売り方の勢力が強まってきた状態で、下降トレンドに転換する可能性が高まっています。

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天井での売り時10/酒田五法44パターン

最後の抱き線(上昇相場)

上昇相場で陰線の後に、その陰線を包む大陽線が出現した形です。翌日に下寄りしたら下降に反転のサインです。翌日に高寄りでも高寄り陰線(カブセ線)なら下降に反転のサインです。

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天井での売り時11/酒田五法44パターン

上位の抱き線

上昇相場の高値圏で前日の陽線を包む大陰線が出現した形です。大陰線が長いほど下降相場に反転の可能性が高くなります。

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天井での売り時12/酒田五法44パターン

上位で陽の陰はらみ

上昇相場で前日の大陽線に包まれる陰線が出現。翌日も下寄りするようなら相場の転換点で下降となる可能性が高くなります。

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天井での売り時13/酒田五法44パターン

陽の陽はらみ

上昇相場で大陽線が出現。その翌日に前日の大陽線に包み込まれた形の陽線が出現。さらに翌日、かぶせ線や十字線が出現した場合には、相場が下降に転換する可能性が高くなります。

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下降相場での売り時 9パターン

下降相場中は弱気になると同時に、買い時を必死に探し出す場所でもあります。人よりも早く底値をつかもうとするあまり、まだ下降相場途中にある段階で買いを入れてはいけません。ここでは、下降相場途中にある売り時(下降継続)のサインを見ていきましょう。

 

下降相場での売り時1/酒田五法44パターン

下放れ二本黒

下降相場で窓を空けて下放れ2本の陰線が出現したら、下降エネルギーが加速する可能性があります。売り乗せサインとして相場の動向に注目です。

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下降相場での売り時2/酒田五法44パターン

捨て子線(下降相場)

下降相場で下放れてクロスが出現。翌日さらに下放れて陰線が出現したら、更なる下落へと続く可能性が強くなります。

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下降相場での売り時3/酒田五法44パターン

下降相場のバケ線

下降相場のバケ線とは、下降相場で出現する大陽線のことです。

相場の方向に逆らって突然現れた強力な陽線です。慎重に対処する必要があり翌日、安寄りとなったら下降相場が継続していると考えられます。

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下降相場での売り時4/酒田五法44パターン

二ツ星・三ツ星(下降相場)

二ツ星・三ツ星とは、ごく短い線が2つ、3つ連続することです。ローソク足のヒゲも実体も短いのが2つ、3つ横に並んだ形となります。

下降相場の途中で二ツ星・三ツ星が出現し翌日、下にマドを空けて陰線が出現したら下降相場が継続し下落が加速する可能性が考えられます。

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下降相場での売り時5/酒田五法44パターン

入り首・アテ線

入首とは、下降相場において前日の終値より安く寄り付き、前日のローソク足実体の中央付近まで差し込んで引けた陽線のことです。

アテ線とは、下降相場において前日の終値より安く寄り付き、前日の安値まで戻した陽線のことです。

ともに下降相場が継続している場合が多く、翌日に下げるようであれば売りの機会となります。

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下降相場での売り時6/酒田五法44パターン

下げ三法

下げ三法とは、下降相場の初期段階において大陰線にはらまれる形で陽線が3本出て、翌日に安値寄りした陰線が出現した形です。

大陰線の後の3本の陽線でも直前の大陰線を抜くことができず、はらんで終わるようであれば底入れの段階には達していないと考えられます。

3本の陽線の後に、安寄りで陰線となるようなら今後も下降相場が続くと考えるのが一般的です。

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下降相場での売り時7/酒田五法44パターン

下放れタスキ

下放れタスキとは、下降相場で下放れした陰線が出現。この陰線の後に窓を空けずに高く寄り付いた陽線が出た状態のことです。この陽線は、下降途中の一服である事が多く、その後急落の前兆とされています。

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下降相場での売り時8/酒田五法44パターン

下放れの並び赤

下放れの並び赤とは、下降相場でジリ安の状態から下に窓を空けてほぼ同じ長さの陽線が並んだ形となります。陽線の上昇力が弱く、この後さらに下降する可能性が高いとされています。

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下降相場での売り時9/酒田五法44パターン

下値遊び

下値遊びとは、大陰線で下落した後にもみ合い相場となり、その後、下に窓を空けて陰線が現れた状態のことです。

この形は、暴落の始まりとされています。

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