トルコリラ円(TRY JPY) スワップ金利のFX利益を検証。為替レート変動で損する。
トルコリラ円のFXスワップ金利は、とても大きいくスワップ金利だけを見れば魅力的です。
なので、トルコリラ円のスワップ金利で運用したら儲かるか検証しました。
利益を出すのに重要な事は、トルコリラ円の為替レートの変動で損したら、スワップ金利の利益を加味してどうなるかでした。
この記事では、
・トルコリラ円のスワップ金利と為替レート変動による損益で結果どうなる
・トルコリラ円のスワップ金利の通貨ペアは、どれでどのFX会社がよいのか
この2点の調査結果を紹介します。
この記事は、自分ならこうするという内容です。
投資の最終判断は、投資家自身ですのでご理解の上お読みください。
本記事は、2018年7月7日付近の調査情報で作成しました。
Contents
結論から
FXトルコリラ円(TRY JPY) の通貨ペア価格は、下降傾向です。スワップ金利運用を目的にトルコリラ円を購入すると、スワップ金利の利益よりも通貨ペアの価格下落による損失が上回り、損する状況です。
投資開始の判断は、トルコリラ円の下落がどこで止まるかです。
トルコの政策金利上昇とインフレ率の上昇が起きている現状では、トルコリラ円が下落の方向にあると見るのが妥当です。
このことからトルコリラ円を買う時期は、まだ先としました。
以降の記事を読むと、結論に至った調査データーやFXスワップ金利運用の判断経由がわかります。
トルコリラ円(TRY JPY)は、スワップ金利よりFX為替レートの変動による損失が大きい
トルコリラ円のFX為替レートが変動すると損益が発生します。FXでトルコリラ円を買った後に、トルコリラ円の価格が上昇すれば、利益が出ますし、トルコリラ円の価格が下降すれば損失がでます。この為替レートの変動による損益は、トルコリラ円のスワップ金利の利益よりもおおきく、トルコリラ円の購入時期を失敗するとスワップ金利運用が破綻します。
将来、トルコリラ円の価格が上昇するか下降するか予想し当てることが極めて重要で、これにかかっているといっても過言ではありません。
トルコリラ円(TRY JPY)をFXで買った場合のシミュレーション
FXの買いで1万通貨を1年間(2017年7月1日から2018年6月末日)保有した場合
通貨ペア:トルコリラ円
購入時期:2017年6月末
売却時期:1年後の2018年6月末
トルコリラ円の価格は、
2017年6月の終値 31.915
2018年6月の終値 24.128
差額 -7.787
為替レート変動損益:-マイナス 77,870円
スワップ金利の利益:+プラス 36,500円
合計:-マイナス 41,370円
レバレッジ約1倍、初期資金30万円の場合
300,000-41,370=258,630
結果:-14%
レバレッジ約2倍、初期資金15万円の場合
150,000-41,370=108,630
結果:-28%
トルコリラ円のFX運用は、年間利回りがレバレッジ約2倍でマイナス28%
シミュレーションにて、レバレッジ2倍くらいでトルコリラ円を買った場合、1年間の運用結果がマイナス28%になりました。
備考
為替レートの変動による損益計算
FX会社によっては、スワップ金利のシミュレーションを提供している会社があります。
しかし、注意してください。過去のレート変化を使わず、未来の想定値(利益が出るように見せている)でスワップ金利運用が儲かるように見せているFX会社もあります。
ここでは、為替レートの変動による損益計算を「GMOクリック証券 FXネオ ロスカットシミュレーション」で行いました。
https://www.click-sec.com/corp/guide/fxneo/simulation/
スワップ金利の計算
トルコリラ円のスワップ金利は、1日100円(買い1万通貨の場合)として計算しています。
100円×365日(1年間)=36,500円
スワップポイントの付与日数について
FX取引では実際の資金のやり取りを2営業日後に行うことになっており、これを「受け渡し日」といいます。
スワップポイントは1年365日分付与されますが、土日や海外の祝日を挟んだ受け渡しが発生する場合、付与日数が変わります。
例えば通常水曜日から木曜日にポジションを持ち越した場合受け渡し日はそれぞれ金曜日(水曜日取引分)、月曜日(木曜日取引分)となるため受け渡し日に3日の差異が生じるため、3日分のスワップが付与されることになります。
トルコリラ円の為替レートが上昇傾向になる必要がある。
トルコリラ円は、下降を続けています。買ったらどんどん値下がりし損が拡大していく状況です。
トルコ経済は、不安定なのでトルコリラ円のレートが上昇傾向に反転した事を確認できないと買えない状況です。
次のチャートは、トルコリラ円 TRYJPN 日足チャート 2008年から2018年(10年間)です。
下降し続けています。
2011年から2015年までの4年間が横ばいトレンドなので、うまくいって4年間保有が最長の目安と見ています。
トルコリラ円は、運が良ければ買った後に上昇でうひうひ。
トルコのGBPやインフレ率も見て、運が良ければうまくいく感じ。資産投入は、控えめと思っています。
トルコリラ、買いと売りのスワップ金利。
売りで新規注文した場合のスワップ金利がものすごく高いです。売りポジションで、スワップ金利がもらえます。その場合も、為替レートの変動による損益に注意が必要です。
売りでのスワップ金利を狙う通貨ペアは、トルコリラの場合、EUR/TRYとCHF/TRYがあります。TRY/JPYは、売りだとスワップ金利がマイナスになります。
スワップ金利とスプレッドでFX会社を比較。トルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランド
スワップ金利が高い主なFX会社を比較しました。
さらに売りでの高スワップ金利のFX会社を掲載しました。
買いでのスワップ金利狙いなら、みんなのFXがよいです。
売りでのスワップ金利狙いなら、サクソバンクがよいです。
トルコ リラ | 日本 円 | 欧州 ユーロ | スイス フラン | |
TRY/JPY | EUR/TRY | CHF/TRY | ||
買い | 売り | 売り | ||
みんなのFX | スワップ金利 | 110 | ||
スプレッド | 1.9 | |||
GMOクリック証券 | スワップ金利 | 86 | ||
スプレッド | 1.9 | |||
FXプライム | スワップ金利 | 80 | ||
スプレッド | 4.8 | |||
サクソバンク | スワップ金利 | 95 | 531 | 469 |
スプレッド | 4.6 | 16.8 | 14.7 |
メキシコ ペソ | 日本 円 | 欧州 ユーロ | スイス フラン | |
MXN/JPY | EUR/MXN | CHF/MXN | ||
買い | 売り | 売り | ||
みんなのFX | スワップ金利 | 15 | ||
スプレッド | 1.8 | |||
GMOクリック証券 | スワップ金利 | |||
スプレッド | ||||
FXプライム | スワップ金利 | 13 | ||
スプレッド | 1.9 | |||
サクソバンク | スワップ金利 | 10 | 234 | 215 |
スプレッド | 24.5 | 61.7 | 70.1 |
南アフリカ ランド | 日本 円 | 欧州 ユーロ | スイス フラン | |
ZAR/JPY | EUR/ZAR | CHF/ZAR | ||
買い | 売り | 売り | ||
みんなのFX | スワップ金利 | 20 | ||
スプレッド | 1.8 | |||
GMOクリック証券 | スワップ金利 | 11 | ||
スプレッド | 1 | |||
FXプライム | スワップ金利 | 23 | ||
スプレッド | 3 | |||
サクソバンク | スワップ金利 | 14 | 193 | 177 |
スプレッド | 2.4 | 75.4 | 67.7 |
※2018年7月8日時点の情報です。
※スワップポイントは、付与日数が1日の金額(円)です。
※スワップポイントは、1万通貨単位の場合です。
FX為替レートの変動による損益(売りスワップ金利狙いの通貨ペア)
FX為替レートの変動による損益は、未来予想が必要です。
以下は、日足チャート 2008年から2018年(10年間)です。
チャートのEUR/TRYとCHF/TRYは、売りのスワップ金利狙いの通貨ペアです。
両方とも下降傾向ならよいのですが、上昇傾向です。
とても手出しできない状況です。
EUR/TRY
CHF/TRY
高いスワップ金利になる通貨ペアの調べ方
スワップ金利が高いFX通貨ペアの見つけ方です。
各国の政策金利で、政策金利が高い国と低い国の通貨を組み合わせると、スワップ金利が高いFX通貨ペアになります。
下記の表は、政策金利が高い国と低い国の通貨を組み合わせた通貨ペアの表です。
横軸が政策金利の高い国、縦軸が政策金利の低い国です。
これで、スワップ金利が高いFXの通貨ペアが見つけられます。
通貨 | トルコ リラ | メキシコ ペソ | 南アフリカ ランド | ||
政策金利 | 17.75% | 7.75% | 6.50% | ||
通貨記号 | TRY | MXN | ZAR | ||
スイス フラン | -1.25% | CHF | CHF/TRY | CHF/MXN | CHF/ZAR |
欧州 ユーロ | 0.00% | EUR | EUR/TRY | EUR/MXN | EUR/ZAR |
日本 円 | 0.10% | JPY | TRY/JPY | MXN/JPY | ZAR/JPY |
※2018/7/7時点
各国の政策金利(高い順)
各国の政策金利は、FX会社に掲載されています。
参考:外為どっとコム 政策金利
http://www.gaitame.com/market/seisakukinri.html
エクセル等に貼り付けて、下記のように政策金利が高い順に並び替えると分かりやすくなります。
これが政策金利が高い国と、低い国の通貨を組み合わせる元資料になります。
高い順 | 国 | 政策金利(%) |
1 | トルコ | 17.75 |
2 | メキシコ | 7.75 |
3 | 南ア | 6.50 |
4 | 中国 | 4.35 |
5 | 米国 | 2.00 |
6 | NZ | 1.75 |
7 | 豪州 | 1.50 |
8 | カナダ | 1.25 |
9 | 英国 | 0.50 |
10 | 日本 | 0.10 |
11 | 欧州 | 0.00 |
12 | スイス | -1.25 |
※2018/7/7時点
まとめ
今は、トルコのインフレ率が高い状況である。なので通貨の価値が低下するからトルコリラ円の購入はしない方がよい。
トルコのGBP、インフレ率、トルコリラ円の月足チャートを見て、トルコリラ円の価格が上昇傾向になったら買いです。